【こども創意工夫塾】【大人のための図工教室】

創意工夫して問題を解決する力を育む造形教室(米原)

課題解説:ねんど模造(夏野菜)

(2021年10月7日 更新)

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1~2年生(塾1~2期目)の作品

概要

こども創意工夫塾恒例となりつつある、模造する粘土課題です。「粘土と道具に慣れること・モチーフをよく見ることに慣れること」を主な目的としており、今回は「夏野菜」をモチーフとしました。

難易度調整の都合上、工作コースの年長~2年生はトマトとピーマン、3年生以上はパプリカとピーマン。図工コースではトマトとパプリカ(余力があればピーマンも)を制作して頂きました。

レッスンの進め方

1袋1kgの紙粘土(デビカ)を1人1袋支給し、まずはヘラで半分にしてもらい、半分は霧吹きを水で吹きかけラップし、ひとまず残り半分を練ります。その際、紙粘土の性質(乾くと固まる)を伝え、まずはトマトorパプリカを制作していきます。

紙粘土を扱うこと自体初めての生徒さんもいるので、とりあえず粘土に慣れていければ良いというスタンスで指導しました。硬い物を練る時は手や腕だけではなく腰を使って力を入れたり、様々な角度からモチーフと粘土を見比べたり、手や指で難しいことはヘラを使ってみたり。まずは、やってみる。

身近な野菜であるトマトは、あまり実物を見ずに想像で作りがちなので「トマトは本当に真ん丸かな?モチーフをよく見て作りましょう」とお伝えしました。

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1年生(塾1期目)

なお、重めの紙粘土を利用している都合上、軽量化を図るため中には発砲スチロール球を入れています。

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図工コース・3~4年生(塾1~2期目)

モチーフより小さくならないようにと指導していたので、粘土が足りないと感じたら残しておいた粘土を千切って足すよう指示しました。

茎についてはトマトとピーマンは芯なし(直接本体に粘土を付ける)、パプリカは芯材として爪楊枝をお渡ししました。

着彩の都合で、トマトorパプリカ(図工コースの場合はどちらも)作り上げてから、先に赤い部分ををまず作り赤い部分を色付けします。本来なら粘土が乾いてから着彩するのですが、2時間で完結するレッスンなので「本当は粘土を乾かしてから色を付けますが、今回は乾く前に塗ってしまいます!」と説明しています。

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図工コース・4年生(塾3期目)

着彩時に粘土を削ってしまうことを防ぐために、大部分はカットしたスポンジで着彩。「スポンジをこすらず、色を置く感じで。こすると粘土が削れちゃうよ~」と。慣れてくれば筆でも問題ないのですが、まずはよりコントロールしやすいスポンジを利用します。道具を使い回している都合と他の材料や道具に絵具が付着することを避けるため、時間帯によってはゴム手袋を利用しました。

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4Bクラス・1年生(塾1期目)

スポンジで届かない部分は筆で。こちらも「塗るというより色を置く、というイメージで」と伝え、こすって粘土が削られる事態を防ぎます。乾ききっていない粘土に着彩するので、筆は描画用の筆とは分けています。いずれも塾で所有し、全員で共有しているので手ぶらでお越し頂けます。

赤の着彩が終わり次第、今度はピーマンの模造を行いました。

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3Cクラス+振替参加(年長~4年生)

ピーマンは必ず1つは作り、残りの粘土は使い切ってくれれば自由に使って良いということにしました。ピーマンを複数作る生徒さんもいれば、自由工作で使うために取っておく子も。

ピーマンの模造が終わり次第、緑の着彩までは自由工作の時間としました。着彩が残っていることもあり、それぞれ考え、普段の自由工作より控えめに制作していたように思います。

3Cクラスでは頭部に何か付けるor首からかける作品が流行り、緑の着彩時はそれぞれが作った何かを付けています。自由工作は名前の通りそれぞれ自由に制作する時間ですが、なんとなくその時の流行ができることも。

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3Cクラス+振替参加(年長~4年生)

緑の着彩に関しては特に指示はしていないのですが、各自とても息を潜めて真剣に着彩していました。

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3Aクラス(1~2年生)

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2Bクラス(1~5年生)

粘土も絵具も乾きらないのは承知していますが、2時間完結レッスンという都合を優先して着彩してしまうので、緑の着彩はレッスンが終わる20~10分前からスタート。クラスの進捗状況などに合わせて調整しています。

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図工コース(3~4年生)

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1~5年生(塾1~5期目)の作品

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年長~4年生(塾1期目)の作品

総評など

120分、よく集中して制作してくれたと思います。2度の着彩の間が自由工作になるので、2度目の着彩はちゃんと集中して取り組むことができるか少々心配していましたが、全員きちんと自由工作を切り上げて集中して真剣に取り組んでくれました。よく切り替えてくれました。

モチーフをじっくり見るという行為は、なかなかじれったく感じると思います。想像のまま勢いのまま作りたいことでしょう。ですが、ものをよく観察できる目を育むことはとても大事なことです。よく観察できるようになれば、更に多くのものが見えてくるはずです。できれば見えない部分のことも想像できるようになって頂けるとなお良いですね。

お察しのこととは思いますが、写真の青い部分は各自の名前を伏せるために入れています。モチーフも材料も同じなので、当日は付箋で管理していました。

始めたばかりの長浜教室では、会場を考慮しひとまず「小麦粘土」を利用しました。

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長浜教室の様子(年長)

実施日

米原教室(2021年7月10・17・18・24日)

長浜教室(2021年6月29日)