課題解説:箱庭の模型
(2021年7月7日 更新)
概要
台紙(切り込みは事前に準備・八ツ切りのほぼ半分)サイズは全員共通とし、箱状に組み立ててもよし・平たいまま使ってもよし・裏表も自由としました。テーマは「箱庭の模型」とはいえ、図工として取り組むからこそ自由な発想で制作しましょうと提案しました。
ただし、今期終盤に「長椅子のデザイン」と「透明の家」という制作課題が控えていることを考慮し、制作条件は、
1.机に接してもいいのは台紙のみ(支える材料の形や位置を工夫しましょう)
2.庭のどこかに必ず2人がけのベンチを入れる(人のサイズは消しゴムサイズを想定)
としました。
レッスンの進め方
今回は材料を多く用意した制作課題で、台紙自体はどう使っても良し(切り取りOK)とする一方「机に接してもいいのは台紙のみ」という条件を設けました。つまり、土台を広くしたければ土台作りを工夫しなければなりません。工夫して頂きたくて、台紙はあえて小さめに設定しました。
テーマは「箱庭の模型」としましたが、図工として取り組むので「説明さえできれば、どんな庭にしてくれても構わない」とし、「あったら面白いなと思えるような庭」を目指そうと提案しましたが、あくまで提案であり、内容はご本人にお任せです。
もう1つの条件が作品の中に必ず2人がけのベンチを作ることでした。ですから今回の課題は、課題へのアプローチに大きく差が出たように思います。
大きく分けると、
①長椅子優先タイプ
②土台優先タイプ
③庭作り優先タイプ
といったところでしょうか。年長~低学年さんは③のタイプが多かったように思います。
どこからどう取り組むかもご本人の裁量にお任せしており、長椅子に関しては、忘れてそうな子がいれば「制作条件は覚えてるかな?長椅子もどこかに入れてね!」と言う程度に留めました。
一方、土台作りに関しては割とシビアに対応しました。
最初に支給されている台紙に更に台紙を足すと、重くなるので支柱で支えたくなる気持ちも分かるのですが条件は「机に接してもいいのは台紙のみ」です。
制作サンプルで、どのように支えているのかよく見てもらい、梁のように支える手法を自ら発見・経験して頂くよう努めました。
しかし当塾の制作課題は1回完結型(1回120分)なので、土台作りばかりに時間を割いていては、肝心の中身がなかなか仕上がりません。時間配分も大きなポイントとなる課題となりました。
上写真のクラスは、結局ご本人たちの希望で延長となり、2時間半以上制作に没頭してくれました。ご本人たちの集中力に驚きと嬉しさを感じつつも、辛抱強く待ってくださった保護者の方にも感謝です。
総評など
2021年度(前期)立体課題2回目は、前期最終回(透明の家)を念頭に置き、土台作りとアイディアを考えてもらうことを意識してレッスンを進めました。
前者については前述した通り「机に接してもいいのは台紙のみ」という条件を設け、かなりシビアに対応しました。後者については「せっかく図工として取り組むからこそ、あったら面白いなと思えるような庭を作りましょう」と提案しました。今ある材料を目指す形に見立てる表現(水や芝、砂など)も必要な課題で、考えること・取り組むべきことが多々ある制作課題だった影響もあり、多くのクラスで時間いっぱい課題制作に取り組んでくれました。
当塾は、休憩はそれぞれ自分のペースで取るようにして頂いています。「疲れたな、集中力が切れたなと思ったら、お茶を飲んでリフレッシュしたらいいよ」と常々言っているのですが、今回は時間が押していることもあってか、各自お茶休憩をしてもすぐに制作に戻っていました。時間の都合上、発表会はできるクラスとできないクラスがあったので、講師から個人的に質問をすることで発表の代わりとしました。
自由なようで厳しい制作課題に対し、よく集中して挑んでくれたと思います。
実施日
米原教室(2021年6月12・19・20・26日)
長浜教室(2021年6月15日)